マネジメント
― 生きた空間を育む
成熟したみどりを、安全に、豊かに、次の世代へ。
樹木医と連携した診断と、現場での対話から、持続性のある管理の指針をつくります。
つくられた空間は、使われ、手入れされることで価値を保ちます。そして、その手入れを担う人がいてこそ続いていきます。空間と、担い手と、仕組み。この三つをあわせて育てることが、マネジメントの仕事です。
行政が初めて向き合う、
みどりの課題。
昭和の高度経済成長期、道路や公園などのインフラ整備とともに、全国の都市で多くの樹木が一斉に植えられました。それから数十年を経て、それらの樹木がいま、同時に過密化と老木化を迎えています。倒木や落枝のリスク、暗く利用しにくい空間、生き物のすみかとしての質の低下。そして、管理を支えてきた市民ボランティアの高齢化も進んでいます。
参照できる前例がないなかで求められているのは、一本一本の状態を科学的に把握し、その根拠を関係者と共有しながら、樹木のライフサイクルを見据えて計画的に管理していくことです。



前例のない課題への、4つの方針
| 前例がないことによる難しさ | 地球スケッチの方針 |
|---|---|
| どこから手をつければよいか分からない | 絞り込み調査と重点診断により、優先順位を根拠をもって定めます |
| 伐採や剪定に、関係者の理解が得にくい | ウォークスルーと現場レクチャーで、処置の理由を共有します |
| 一度決めた方針が正しいか確かめにくい | モニタリングと見直しの仕組みを組み込み、試しながら改善します |
| 担当者が替わるとノウハウが途切れる | 誰もが使えるハンドブックとして、共通言語を残します |
科学の目と、現場の目。
広域を効率的に把握する計測技術と、一本ずつ向き合う専門家の診断。両方を組み合わせることで、限られた予算と人手を最も効果のあるところに充てられます。
スクリーニング調査
対象となる緑地の全体を把握し、利用状況や植栽の密度から管理のタイプに分類します。
樹木医による診断
重点管理の対象について毎木診断を行い、樹勢や構造的な欠陥を評価。更新の時期を見据えた個別のカルテを作成します。
ドローンによる計測
LiDARとマルチスペクトルカメラで、地形・樹高・樹冠の重なり・樹勢を面的に把握します。
ウォークスルー
行政・市民・管理事業者が現場を共に歩き、処置の必要性を対話を通じて確かめ合います。
進め方
現状と課題の把握から始め、対象の特性に応じた管理の方針を組み立てます。方針は関係者と現場で共有したうえで、日常の管理で使える形にまとめ、定期的に見直す仕組みまでを整えます。
対象の規模や緊急度に応じて、単年度から複数年度まで、進め方を組み立てます。
対象
都市公園
過密化・老木化への対応、点検と更新の判断基準づくり。
街路樹・並木
安全性と景観、沿道の利用との両立。
里山・樹林地
植生タイプ別の管理目標と、市民協働による維持管理。
企業緑地
管理コストの最適化と、地域に開かれた緑地としての活用。
よくあるご質問
- すべての樹木を診断する必要がありますか。
- いいえ。まず全体をスクリーニングし、利用が多い場所や危険性の高い箇所に絞って詳細な診断を行います。限られた予算を効果的に使う組み立てをご提案します。
- 伐採について市民の理解が得られるか心配です。
- 現場を共に歩き、樹木の状態と処置の理由を確かめ合うことから始めます。数字と現物の両方を共有することが、合意への近道です。
- 指針をつくっても使われないのではないかと思います。
- 専門用語を避け、図解と写真を中心としたハンドブックにします。行政・市民・作業者の誰もが同じ言葉で話せることを重視します。
- 既存の公園台帳は活用できますか。
- はい。台帳や過去の管理履歴を基礎に、調査結果を重ねて活用できる形に整えます。